事業者ごとのサービスの特徴
(1)一般タクシー
タクシーは身近なドアツードアのサービスで病院や駅で簡単に乗る事ができます。中には、ヘルパー等の資格を持つ運転手が院内や買い物の付き添いを行う事業者もあります。
スマートフォンが普及した今、配車アプリやタクシー会社のホームページから申込むスタイルが主流になっています。タクシー会社や、会社が加盟するグループに電話して呼ぶこともできますが、電話がなかなかつながらないという声も聞こえています。特に雨の日などは、限られた台数のタクシーを多くの人が使おうとするため、ますます難しい状況です。
決められた時間に必ず行かねばならないことがある時には、「予定が決まったら早めに予約しておくこと」が必要です。しかし、残念なことにそうした「予約可能なタクシー」は、杉並区ではとても限られているのが実情です。
≪前日までにタクシーを予約するには≫
本人や家族、友人、ケアマネジャー等がスマートフォンやインターネットを使える場合は、配車アプリやホームページから余裕をもって早めに予約を入れてください。 配車アプリやホームページからの申込が難しい場合は、もび~るにご相談ください。身体状況等を伺い、適した移動手段を一緒にお探しします。
≪車いすでユニバーサルデザイン(UD)タクシーに乗車するときには≫
現在、一般タクシーはUD車両が主流となっています。「横ドアから乗り込むタイプ」(P2参照)に車いすごと乗る場合には、研修を受けたドライバーがスロープを設置します。仕様が改善されたため、乗降に要する時間は5分~10分です。
乗降場所としては、スロープの長さと車いすで動くスペースを含めて横ドアから約3mの広さが必要です。また、坂の途中など勾配がある場所ではスロープが安定せず危険なため、平坦な安定した場所で乗降するなど工夫しましょう。
電話でUDタクシーを指定して予約をするのは難しいのが現状ですが、いくつかの条件のもとで対応できる事業者がありますので、利用をご希望の方は、もび~るにご相談ください。
(2)福祉有償運送(NPOなどの移動サービス)
会員を対象にした移動サービスです。外出の難しい方を支援するために、車両を運行する市民活動で、正式には「福祉有償運送」といいます。道路運送法に位置づけられ、運転手は国の定めたカリキュラムにそった研修を受講するなど、安全運行のための体制を整備することが義務づけられています。
- 車両の種類・・・ 福祉車両と福祉装備のないセダン車があります。
- 会員制 ・・・会員登録が必要です。利用会員は公共交通機関での外出が難しい方のみ対象です。
- 予約制・・・事前に団体に予約が必要です。
- 介助 ・・・リフトやスロープによる乗り込みの介助から軽介助まで行います。
- 料金 ・・・運賃は、タクシーの8割程度までとされていますが、この他に年会費の支払いが必要ですので、繰り返し利用する方に向いているといえます。
(3)福祉輸送事業限定タクシー(福祉限定)
タクシーの事業免許をもつ事業者です。公共交通機関での外出が難しい方のみを乗せることができます。1台の福祉車両を走らせる事業者が多いですが、数台を所有する事業者も増えてきました。
- 車両の種類 ・・・ほとんどが福祉車両です。医療資器材(酸素ボンベや痰吸引器など)を搭載した車両を持つところもあります。
- 予約制 ・・・事前に予約が必要です。タクシーといっても、町中での「流し」営業はできません。
- 介助 ・・・リフトやスロープによる乗り込みの介助から重介助まで、対応できる介助内容は事業者により異なります。予約をすれば、別途看護師を手配できる事業者もあります。
- 料金 ・・・基本はタクシー運賃です。中には時間制運賃を設定している事業者もあります。予約料・迎車料・運賃・介助に関する料金などはそれぞれの事業者により異なります。リクライニング車いすやストレッチャーの貸出を依頼する場合、多くの事業者で貸出料がかかります。
(4)福祉ハイヤー
タクシーの事業免許を持つ事業者です。タクシー会社の福祉部門として運行しているところもあります。福祉輸送事業限定タクシーとの違いは料金です。
- 車両の種類 ・・・福祉車両です。医療資器材(酸素ボンベや痰吸引器など)を搭載しています。
- 予約制 ・・・事前に予約が必要です。
- 介助・・・ リフトやスロープによる乗り込みの介助から重介助まで対応できます。予約をすれば、別途看護師を手配できる事業者もあります。
- 料金・・・ ハイヤー料金で、車が営業所を出て、営業所に戻るまでの料金がかかります。その他に介助料・設備費などの設定があります。 リクライニング車いすやストレッチャーの貸出を依頼する場合は、貸出料がかかる場合があります。
(5)介護保険等の事業者のタクシー
介護保険事業者が、タクシーの事業免許をもち運行するタクシーです。
- 車両の種類 ・・・セダン車、または福祉車両があります。
- 予約制・・・ 事前に予約が必要です。
A:介護保険のケアプランにもとづく利用
外出や車の乗降に介助が必要な方に対し、ケアマネジャーが訪問介護の「身体介護」又は「通院等乗降介助」として、ケアプランに位置付けられた場合に利用できます(1~3割負担)。タクシー運賃・料金は別途かかります。要支援1,2の方は利用できません。
B:ケアプランに組み込めないケース
ケアプランに組み込めないケースの相談にも応じます。その場合は自費による利用となります。
C:障害者総合支援法による外出介助サービス
障害者及び障害児のための外出介助サービスとしては、障害者総合支援法に基づく個別給付(介護給付)によるものと、地域生活支援事業として杉並区独自に実施する移動支援事業との二つに分けられます。
※いずれも、都道府県知事指定の「障害福祉サービス事業所」により提供されます。
【介護給付による外出支援】
介護給付のなかで外出介助に関連するサービスは、通院等介助、重度訪問介護、行動援護、同行援護、重度障害者等包括支援です。どのサービスを受給できるかは、利用される方の障害種別や障害支援区分により異なります。なお、通院等介助での外出介助は定期的な通院又は、官公庁での公的な手続き等の目的に限定されます。
【杉並区独自の移動支援】
屋外での移動が著しく困難な障害者(児)の方を対象に、余暇・社会参加等のための外出に付き添って手助けをしてくれる介助者(ガイドヘルパー)を派遣します。 目的や内容によっては「利用できない外出」もあるので、詳しくはご相談ください。
→制度の内容の問い合わせ…杉並区障害者施策課 (3312)2111
なお障害者総合支援法に基づく外出介助のサービスには、移動手段そのもの(電車・バス・タクシー代など)への助成はありません。
参照 |
介護保険で利用できる訪問介護(外出介助)について
※上記の文字をクリックしてご覧ください。PDFでご覧いただけます |